「サウナって肌にいいんですか」——体験に来られた方から、よくいただく質問です。答えは「本当です。ただし、世間で言われている理由とは少し違う」。血行と保湿の話は本当、「汗でデトックスして美肌」は裏づけの弱い話です。ドライとスチームで肌への当たり方がどう違うのかも含めて、正直に整理します。
サウナに入ると体が温まり、皮膚の血流が増えます。血の巡りが良くなれば、肌の細胞に酸素と栄養が届きやすくなる——ここは理屈の通った話で、サウナ後に顔色が明るく見えるのはこのためです。
もうひとつがリラックスです。肌の調子は睡眠やストレスと切り離せません。サウナで深く温まってよく眠れる、という間接的な効き方も、私は美容効果のうちだと思っています。
逆に、「汗をかいて毛穴から毒素を出すから美肌になる」という説明は、正直に言うと裏づけの弱い話です。次の章で説明します。
汗の役目は体温を下げることで、成分はほとんど水です。老廃物の処理は肝臓と腎臓の仕事で、汗が肩代わりする量はごくわずか。このあたりはサウナで痩せる?汗でデトックス?で詳しく書きました。
ただ、汗をかくことが無意味かというと、そうではありません。汗と一緒に皮脂や汚れが浮くので、サウナ後に洗い流せば肌はさっぱりします。ですがそれは「洗浄」であって「デトックス」ではない——売る側の私が言うのも何ですが、ここを混ぜて宣伝したくないのです。
80〜90℃前後の乾いた熱で入るのがドライサウナです。体の芯までしっかり温まり、発汗量も多い。血行を促すという点では申し分ありません。
一方で、空気が乾いているぶん肌や髪の表面は乾燥しやすい。長めに入る方、毎日入る方は、あとの保湿を前提に使うのが現実的です。ドライが肌に悪いという話ではなく、「よく温まる代わりに乾く」という性格を知って使う、ということです。
スチームサウナは40℃前後・湿度ほぼ100%。蒸気が肌にのって温めるので、肌や髪が乾燥しにくいのが一番の違いです。のども楽で、熱さの我慢がいらない。
正直に言うと、美容を目的にサウナを考えている方には、私はスチームを勧めることが多いです。乾かさずに温められること、そして温度がやさしいぶん毎日続けやすいこと。この2つは肌にとって大きい。仕組みはスチームサウナとはで詳しく書いています。
職人からひとこと
「しっとり」は言葉で説明するより浴びるのが早いです。ショールームの体験で、スチームの湿度を肌で確かめてみてください。ドライとの違いは、入って数分で分かります。
肌のためによかれと思ってやりがちな失敗を挙げておきます。
また、皮膚の疾患がある方や治療中の方は、サウナの利用自体をかかりつけの医師に相談してからにしてください。
美容目的なら、サウナは「入って終わり」ではありません。出たあとの保湿までがワンセットです。
汗を流したら、いつもの化粧水やクリームで構わないので、早めに保湿する。温まって血行が良いうちに済ませるのがコツです。特にドライサウナのあとは、ここを省くと乾燥だけが残ります。スチームでも、蒸気の潤いは一時的なものなので、保湿は同じようにやってください。
血行にしてもリラックスにしても、1回で肌が変わるものではありません。効いてくるのは習慣にしてからです。
だからこそ、家にサウナがある意味があります。週末にわざわざ行く「ご褒美」ではなく、毎晩の入浴の延長で温まれる。今ある浴室に後付けできるスチームサウナなら、続けるハードルはさらに下がります。
「肌のためにはどっちがいいのか」という段階のご相談でも構いません。合わないと思えば、合わないと正直にお伝えします。
※本記事は一般的な考え方をまとめたものです。肌の状態や感じ方には個人差があります。皮膚の疾患がある方・治療中の方は、かかりつけの医師にご相談ください。サウナ選びの具体的なご相談はこちらから。